コラム

このページは、コラムを紹介するコーナーです。医食同源・薬膳・食養生に結びつく食材のご紹介や漢方の銭湯・足湯など、東洋医学、漢方、健康に結びつくトピックを中心にお届けいたします。

東洋医学コラム

小児はりについて

小児はりとは

みなさんは小児はりをご存知でしょうか。

北海道ではあまり馴染みがないですが、関西などでは昔から乳幼児や小児に対してよく行われています。刺さない独特の形をした鍼を使って治療します。小児はりが使われる症状としては、「夜泣き」や「かんの虫」が有名です。それ以外の症状、例えば「夜尿症」などに対しても効果があります。

小児の特徴

小児は常に成長し続けています。そのため成人とは形態・生理・病理において異なっています。単に成人の縮図ではありません。

中国医学の歴代の小児科医たちは、小児の生理的特徴を、臓腑嬌嫩(ぞうふきょうどん:臓腑の働きが弱い)、形気未充(けいきみじゅう:形態と生理機能が充分ではない)、生機蓬勃(せいきほうぼつ:生命力がわきあがっている)、発育迅速(はついくじんそく:発育が速い)という言葉であらわし、病理的特徴を、発病容易(はつびょうようい:発病しやすい)、伝変迅速(でんぺんじんそく:病の変化が速い)、臓気清霊(ぞうきせいれい:臓腑の気がきれい)、易于康復(于は前置詞の働きで「於いて」と同じ意味で漢文では発音しません。:回復しやすい)という言葉であらわしています。

まとめると、小児は成人と比べると、成熟していないための弱りと成長発育するための旺盛な生命力をもつという相反する面があるので、その点に気をつけなくてはならないということです。これは現代においても、東洋医学による小児の診断・治療における重要な指針になっています。

対応する疾患

基本的に鍼灸治療は身体のバランスを整えるということなので、何の病気に効くというものではありませんが、小児はりの対応する疾患をあえて述べるとすると、上述の疳の虫、夜泣き、夜尿症のほかに、セキ、下痢、カゼ、発育不良、先天性虚弱、ひきつけなど、さまざまな病気が対象となります。

「かんの虫」について

「かんの虫」とは、現在の小児神経症や虚弱体質などを合わせた様なもので、小児特有の不眠、不機嫌、むずがり、食欲不振などの症状をいいます。「かんの虫」の「かん」は「疳」という字を書きます。また虫という表現が使われていますが、これは昔は虫におかされるため起こると考えられていたからとされています。

しかし古典など読むと「疳の虫」は「五疳」ともいい、五臓それぞれに対応する「疳の虫」があるとされています。これなどは体のバランス、つまり五臓のバランスの崩れにより「疳の虫」が起こると考えられていたことを示しているのではないでしょうか。

小児の治療方法

小児に対する具体的な治療方法ですが、基本的には小児鍼という「刺さない鍼(接触鍼という)」を使います。小児鍼にはいろいろな種類がありますが、「ローラー鍼」、「ヘラ鍼」などが一般によく使われています。当院で使用しているのは「古代鍼」と呼ばれているものを使用しています。

その他状況に応じてお灸なども使われます。お灸は棒灸が使われることがほとんどです。今はほとんど行われませんが、ちりげ(知利気または散気と書く)の灸などの直接灸をすることもあります。

小児はりのまとめ

今回は小児鍼・小児の疾患について述べてみました。いかがだったでしょうか。子育ては、子どもの成長に喜びを感じる一方、体調の変化に対応しきれずに悩みを抱えることも多いのではないかと思います。小児はりを受けることで、解決できることも多々あります。ひとりで悩まずに、何かあればお気軽にご連絡ください。

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