コラム

このページは、コラムを紹介するコーナーです。医食同源・薬膳・食養生に結びつく食材のご紹介や漢方の銭湯・足湯など、東洋医学、漢方、健康に結びつくトピックを中心にお届けいたします。

東洋医学コラム

「『宮廷女官チャングムの誓い』について太玄堂鍼灸院院長福田さんに聞く」その2

6.「宮廷女官チャングムの誓い」の中で、チャングムが済州島(チュジュド)チャン・ドクから医術を学んでいた時や医女修練生時代に、医学用語や経絡の流れに沿って体のツボを反芻する場面が何度も登場します。

イ・ヨンエさんは、先日NHK総合で放送された「チャングム大研究」という番組のインタビューで、
「医女編では専門用語が多くてとにかく丸暗記しました。それがすごく大変で頭が爆発しそうでした」
というお話をされていました。

福田さんや鍼灸師のみなさんは、どのようにして体のツボを暗記したり、どのようにして難しい東洋医学の専門用語を覚えるのでしょうか?

どのようにして憶えるのかとの質問ですが、ひとつひとつ憶えるよりしょうがないですね。語呂合わせや歌にして憶えるなどみんな工夫しますがやっぱり大変です。

ただ実際の臨床で使うツボはある程度決まっているので臨床では全てのツボを憶えている必要は無いです。 東洋医学の用語に関しては憶えていないと本で調べたりするときにに困りますね。東洋医学の用語に関しては少なくともある程度は覚えていなくてはならないと思います。

7.第33話の中で、シン・イクピル教授が、医女修練生であるチャングム、シンビに3名の女性患者を診るように指示し、即座に病名と処方を下すチャングムに対し、シンビはすぐに病名と処方を下せず悩む場面があります。それに対しシン・イクピル教授は、10日間診察を行い、正確な病名と処方箋を出すように命じます。その間シンビは患者さんとの丁寧に対話をし、書き留めていきます。それをみていたチャングムが自分が見逃していたものに気づきます。

このことは、丁寧に問診や脈診などの手法を駆使してからだ全体のバランスを診て治療方針を決める福田さんのような東洋医学的な手法に基づいた鍼灸治療の専門家の姿勢につながるものと思います。この場面をみて、福田さんはどのように感じましたか?

東洋医学に限らず西洋医学でもそうでしょうが、医学というものにとって診断がいかに大切であるかを示していると思います。そのために最大限の努力をしなければならないということを再認識させられる場面でした。

しかし、ただ時間をかければ良いと言う訳ではなく、慢性の病ならば多少診断に時間がかかっても良いでしょうが急性の病であれば時間の経過によって急激に悪化することが考えられるので早急に判断しなくてはなりません。診断は正確にしなくてはなりませんがいたずらに時間をかければ良いというものではないと思います。

8.「宮廷女官チャングムの誓い」の中で使用されている鍼はとても太くて痛そうな鍼ですが、私が受けた鍼治療は、とても細くて痛みをほとんど感じませんでした。朝鮮半島の鍼治療で使用される太い鍼と、日本で使用されている細い鍼の違いを教えてください

チャングムのドラマにも出ていたように確かに韓国や中国の鍼は日本の鍼より太いです。

鍼の形はその民族の体質や生活環境などにより長い年月かけて変化したものなので一概にどれが良い悪いというものではありません。

ただ一般的には太い鍼のほうが気を動かしやすいとはいえると思います。

日本人は良くも悪くも繊細な人が多いので細い鍼のほうが良いケースが多いと思います。

面白いのは中国でも北京や上海などの大都市では日本の鍼が次第によく使われるようになってきました。これなども生活環境の変化が影響していると思います。

9.「宮廷女官チャングムの誓い」の中で、問診や脈による診断、舌による診断、顔色の診断など様々な診断法が登場しますが、それぞれの診断法の特徴と重要性について教えてください。

問診は東洋医学の初学者から使える有効な診断法です。しかし、患者さんの思い込みによって間違った情報が伝えられたり、患者さんは様々なことを言うのでその中から必要な情報と必要でない情報を選り分ける技術が必要です。昔の名人の中には問診は患者に惑わされるだけということで不問診断(問診をしないで他の診断法、例えば脈診などだけで診断をする)で治療していた人もいました。

脈診は今、現在、この時の患者さんの心と身体の状態を如実に表すものです。舌診は逆に身体の大局的な陰陽のバランスを表します。ですから鍼をした直後の変化は舌には現れにくいですが脈には如実に表れます。反面、その日の天候や心理状態など様々なものが脈に表れるので脈が何を表しているのかを正確に把握することは難しい面もあります。

またすべての診断法の結果が一致するとは限らないということがあります。例えば問診と脈診の情報が一致しないことなどありますのですべての情報を総合的に判断することが必要となります。

10.「宮廷女官チャングムの誓い」の中で、冬虫夏草、ニンニク、ショウガ、ナツメなど、薬食同源に基づいた食材がたくさん登場します。第37話で食欲のない皇太后のためクミョンが作った五種粥が登場しますが、材料に桃、クルミ、松の実、ゴマ、杏を使っているそうです。これらはどのような健康効果があるのでしょうか?

また、これからの季節夏バテや冷房による冷え性などに悩む方も増えるのではないかと思います。夏バテ解消や冷房による冷え性解消などによい食材やおすすめのレシピがあったら教えてください。

桃の実を食べることによって胸を丈夫にし顔色をよくする働きがあります。桃は肺の果ともいわれ肺をよくする働きなどがあります。

クルミは肌を潤し髪を黒くする働きがあります。また足腰を丈夫にする働き、肺をよくし便通をよくする働きなどもあります。

松の実は関節の痛みを取り、五臓や皮膚を潤し、胃腸を温めます。また長く服すと身体を軽くし老化を防ぐ働きなどもあります。

ゴマは五臓を潤して養い、気力を益し、脳髄を填たし、耳や目にもよく、長く服すと身体を軽くし老化を防ぐ働きなどがあります。

杏の実は日に曝して干したものを食べると、渇きを止め、熱毒をとる働きがあります。また心の果ともいわれ、心臓をよくする働きがあります。

ですから、五種粥は基本的に補う働きのある食べ物が多く使われ、老人などにはとても良いものだと思います。

私は料理は苦手なのでレシピはわかりませんが、夏バテ解消にはスイカ・キュウリなど解暑作用のある瓜類や滋陰作用のあるクコ、ゴマ、黒豆などを摂ると良いと思います。

また冷房による冷え性にはまず冷房の冷たい風に直接当たらないようにすること。東洋医学では後頭部から上背部にかけての部分からカゼに罹るとするので首周りにスカーフなど巻くなどして特に気を付けて下さい。食べ物としては生姜、紫蘇、シナモン、ヨモギなどが良いと思います。

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