東洋医学コラム
2008年1月〜3月の「院長の独り言」
新年のご挨拶・・・東洋医学・鍼灸医学を学ぶ効用(2008年1月)
新年明けましておめでとうございます。
私も鍼灸師になって今年で10年という節目の年になりました。まだまだ至らぬところが多々あると思いますが日々努力して少しでも皆様方のお役に立てるよう頑張りたいと思っています。
最近、東洋医学・鍼灸医学を学んで本当に良かったと特に思うようになりました。
東洋医学・鍼灸医学を学ぶ効用は3つあると思います。
1つ目は、健康に役立つということ。
2つ目は、東洋医学・鍼灸医学は伝統文化なのでそれを学ぶことは日本の文化・東洋の文化を学ぶことになるということ。
3つ目は、東洋医学・鍼灸医学はその根底に易や老荘思想などの東洋思想・東洋哲学の深い哲理によって打ち建てられています。
この哲学を学ぶことは、混迷する現代を生きていく為の大きな助けに必ずなると思います。
肩肘を張らない、こころも身体も軽くなる生き方、それは健康になる生き方だとも思います。
皆様にとって、今年も良い年になりますように!
本年も宜しくお願い致します。
『模倣の時代』を読んで(2008年2月)
先日、『模倣の時代』(板倉聖宣著、仮説社)という本を読みました。
この本は日本における脚気に対する歴史を述べたものです。
私達の多くの脚気に対するイメージは木槌で膝を叩いて足が上がる(膝蓋腱反射)とかビタミンB1の欠乏によって起こるとかいうものですが、脚気は恐ろしい病気で昔は多くの人が亡くなりました。
本書は『どんな人、どんな制度が創造性を発揮し、だめにしたか』という副題にも書かれている通り、どのような科学的態度でなければいけないのか、それを疎外するのに多くの場合党派性が関わっており優等生ほどその党派性に束縛されやすいなど脚気の問題を通してどのような科学的態度が必要かを述べた本です。
脚気についての概略を述べると、脚気は下肢のむくみや痺れを起こし、最後は脚気衝心といい非常に苦しんで心不全を起して亡くなる病気です。
明治37年の日露戦争のとき戦闘の死者数は48,428人で傷病者は352,700人そのうち脚気患者は212,700人で脚気による死者は27,800人(数字は史料により異なるようです)でした。
脚気による死者の多さが解かります。
脚気は幕末から多く広まった病気で、米食を中心とする東アジアに見られる病気です。
明治になってから政府の方針で漢方医学から西洋医学に切り替わりましたがその当時の西洋医学ではよく治すことが出来ず、脚気専門の漢方医の遠田澄庵など食事療法も重んじる経験を積んだ漢方医の方がよく治していたようです。
明治11年政府により脚気病院が設立され西洋医学と東洋医学のどちらが脚気を治せるか競わせようということになりました。
西洋医学のほうが優れているという政府の思惑通りの結果が出ず、結果はうやむやになってしまいましたが・・・。
その後、高木兼寛や堀内利国などが白米食が脚気の原因とし、志賀潔・都築甚之助・遠山椿吉・鈴木梅太郎等の研究へと続くのですが漢方医の主張と重なるということで青山胤通・森林太郎等によって長い間否定され続け日本の脚気研究が遅れる要因となりました。
その後、西洋で脚気がビタミンB1の欠乏によるものと確定されるとそのような方向性になりましたが、西洋には無い病気なので日本が独自性を発揮するチャンスだったのにそれを逃したことは残念です。
興味のある方は読まれてみてはいかがですか。
ケツメイシ(2008年3月)
先日、何年ぶりかでカラオケに行きました。
友人がケツメイシの「さくら」を歌ってました。
いい曲ですよね〜。
ケツメイシ・・・。
なんか聞いたことある名前だなと思って考えてみたら漢方の生薬と同じ名前でした。
調べてみたらグループの名前の由来は、中国で使用されている薬草「決明子(けつめいし)」で、薬草の効用になぞらえて「全てを出し尽くす」、「見えない神秘的な」という意味が込められており、メンバーの中の2人は薬剤師免許も取得しているんだそうです。
ちなみに決明子(けつめいし)はマメ科の一年草のエビスグサの種子で中医学的には清肝益腎・キョ風明目、潤腸通便の働きがあります。
実は、決明子は日本でも昔から健康茶「ハブ茶」として飲まれていました。
エビスグサの種子を乾燥させ、軽く炒ったものを、お茶にします。
効能としては、疲労回復、食欲増進、便秘、腹部膨満感、胃弱、胃腸の調子が悪い時、眼精疲労、目の充血、神経痛、リウマチ、高血圧の予防などです。
でも、漢方の薬草の名前をグループの名前にするなんて面白いですね。

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