産婦人科疾患の鍼灸治療症例集

鍼灸治療症例集の中から、「逆子」など産婦人科疾患でお困りの方に対して行った鍼灸治療についてご紹介いたします。太玄堂鍼灸院の逆子の鍼灸治療では、打鍼という刺さない鍼をするとともに、安産のお灸をご指導いたします。鍼灸は「冷え性」の改善にも効果的です。

逆子

逆子の鍼灸治療について

昔は逆子でも自然分娩でしたが、現在では逆子だと帝王切開することがほとんどのようです。しかし、帝王切開をするより自然分娩のほうが望ましいことは言うまでもありません。

病院で指導される逆子の治療法として逆子体操などがありますが、戻らないケースも多々あります。そのようななか、ひとつの選択肢として副作用の心配もない安全な逆子のの鍼灸治療をお勧めします。

副作用の心配のない逆子の鍼灸治療ですが、患者さんの状態によっては逆子が治りづらいケースもあります。

例えば妊娠8ヶ月までは比較的逆子も治りやすいのですが、9ヶ月を過ぎた頃から少し戻りにくくなります。また羊水が少ないなどの母体の状態によっても戻りづらいケースもあります。

しかしどんなに戻りづらい様な場合であっても逆子の鍼灸治療により逆子が治る可能性はありますので、逆子でお悩みの妊婦の方は鍼灸治療をされることをお勧めします。

また仮に逆子が治らなかったとしても鍼灸治療は母体にとって非常に良い効果があります。例えば妊婦さんはお腹が非常に張っていることが多いのですが、このような場合、鍼灸治療をすることによってお腹の張りが楽になるなどの効果があります。出産を迎えるお母様とお腹の中にいる赤ちゃんにとって、出産に望ましい体内環境をえることができるのです。

逆子や妊娠中の諸症状で悩まれているかたは是非、鍼灸治療を試されることをお勧めします。

Q.逆子で困っています。(N.Mさん、20代後半、女性)

N.Mさんは妊娠6〜7ヶ月のとき一度逆子になりましたが、そのときは側臥位や逆子体操で治ったそうです。その後1ヶ月ほど、つまり妊娠8ヶ月ぐらいのとき再び逆子になってしまいました。側臥位や逆子体操を再び行いましたが逆子は戻らず、当院に来院されました。

A.気滞による逆子です。

N.Mさんが当院に来院されたときは妊娠9ヶ月目(32週)でした。つわり、貧血、羊水などの妊娠中の経過は特に問題はありませんでした。東洋医学的には尺位の脈も十分あり、その他様々な情報から気滞と考えました。

N.Mさんのその後の経過

N.Mさんの治療は打鍼という刺さない鍼を上腹部に行い、そのほかに足にお灸をしました。足のお灸に関しては来院されないときはご自宅で行うように指導しました。

来院の回数は週2〜3回ということで2〜3日に1回ペースで来院いていただきました。

N.Mさんは来院されるときは必ずご主人と来られとてもお二人仲睦まじい様子がうかがえました。鍼灸治療を受けるときは、N.Mさんご夫婦のように、奥様とご主人の心が通い合っているというのも、逆子をなおす相乗効果となるでしょう。

ご本人も鍼灸治療をするとスッとして気持ちが良く、またお腹の張りがなくなり、便秘も良くなったそうです。

3回の鍼灸治療のあと病院の検診があり、4回目の来院のときに逆子が治ったとの報告がありました。

N.Mさんも喜んでおられましたが、治療者である私自身も大変うれしかったです。

N.Mさんの場合は、実質の治療回数3回という、とても早い治療成果が出ましたが、通常は少なくても10回は来院されるようお伝えしています。

「逆子」の東洋医学的見解

『中医診断と治療』神戸中医学研究会編訳 燎原書店によると逆子は以下の3つに分類しています。

逆子の分類
分 類状 態
気滞(きたい)気の停滞によるもの。
脾湿(ひしつ)湿邪の停滞によるもの。
気血両虚(きけつりょうきょ)気と血の不足によるもの。

逆子の鍼灸治療のまとめ

東洋医学的には、気滞、脾湿、気血両虚いずれの原因であったとしても、気滞、脾湿、気血両虚により母体がアンバランスを起こし、その結果逆子が起こると考えます。鍼灸治療をすることによってお母さんのアンバランスをなくすのです。

ですから妊婦さんは妊娠中は精神的にも肉体的にも無理な負担をかけてアンバランスにならないように気を付けることも大切です。

参考文献:『症状による中医診断と治療』燎原書店

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冷え性

Q1 冷え性で寝つきが悪くて困っています。(T.Tさん 30代後半 OL)

事務職をしています。夏になると社内の冷房が強く、膝かけをしても、足元が冷えます。ふとんに入っても、足が冷えているため寝つきが悪く、朝起きても熟睡できたという実感がありません。また、肩こりもきついため、イライラしやすくて困っています。どうしたらいいですか?

A1 スポーツなどの運動が有効です

東洋医学的にいうと、「陽気が停滞した状態」です。わかりやすくいうと、気血の巡りが悪いということです。職場環境が、気血の循環の悪さを増長してます。事務職のため、からだを動かす機会が少なく、冷房が強い環境であるため、下半身の血管が収縮し、血液の循環が滞っている状態です。

Tさんのようにデスクワーク中心のかた全般にいえることですが、気血の停滞を改善するための運動を実践することが、冷え性などの症状を改善する妙薬といえましょう。

体を動かすことがお好きであれば、スポーツを実践して汗を流してください。スポーツジムに通うのもいいかもしれません。

お金をかけず、手軽にできる運動として、「散歩」をお勧めいたします。今はやりの「ウォーキング」でもいいですが、心を穏やかにする「逍遥(お散歩)」もお試しください。

その他、足湯をしてから寝るのも有効でしょう。

T.Tさんのその後の経過

T.Tさんは、遠方にお住まいのため、直接鍼灸治療をする機会はありませんでした。アドバイスののち、週2〜3回スポーツクラブに通うようになり、肩こり、冷え性は緩解したそうです。日頃の生活習慣を見直すだけでも大分違うということの証明だと思います。実際には、日常生活を見直すというのはなかなか難しいことですが・・・・・・

「冷え性」の東洋医学的見解

運動不足による血流の循環不良といったように、原因が明らかな場合、運動や足湯をすることで、冷え性を改善をすることは可能です。しかし、複合的な要因を有している場合、必ずしも運動をするだけで、改善できるわけではありません。

ここで、簡単に、東洋医学による見解をお話しましょう。東洋医学的には冷え性を「手足ケツ冷」といい、以下の6つに分類されます。

冷え性の分類
分 類状 態
陽虚によるもの脾や腎などの臓腑の機能が衰えたため、陽気が不足し手足を温めることが出来ないもの。
熱邪が内にこもる為のものカゼなどで熱が出てその熱が内にこもるもの。通常の冷え性とはちょっと違いますね。
陽気が停滞する為のもの肝などの機能失調により陽気が停滞するもの。
血虚のところに寒邪をうける為のもの血虚体質のものが寒邪を受けて(冷えること)血脈の運行が阻害されおこるもの。
痰濁によるもの身体のなかの湿痰(身体のなかの水が溜まってできた病理産物)が多いため手足が冷えるもの。
回虫によるもの日本ではこのタイプまず無いと思いますが・・・・・・

T.Tさんは、「陽気が停滞したタイプ」

T.Tさんは、6つの分類でいうと、3番目の「陽気が停滞したタイプ」でした。このタイプのかたの場合、運動などにより陽気を巡らすことで、良い結果を得ることができます。漢方薬なら四逆散などが適応します。合谷というツボを軽く揉むのも有効です。三陰交にお灸するのもいいでしょう。

しかし、冷え性といっても、東洋医学的にいろいろなタイプがありますし、それらが複合して起こる場合もありますので、鍼灸や漢方など、それぞれの専門の先生に相談されたほうが良いでしょう。

冷え性に効果的なツボ(陽気が停滞したタイプの場合)
ツボの名前ツボの場所ツボの図
合谷(ごうこく)親指と人差し指との手の背側の指のまたで、2本の骨の間を押してみて痛むところ。合谷
三陰交(さんいんこう)足の内くるぶしの上際から指4本分上方にある。脛骨(すねの骨)の内縁を探ると、骨の際にくぼみがあり、指が止まるところ。三陰交

参考文献:『症状による中医診断と治療』燎原書店

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