「院長の独り言」年度別

「院長の独り言」を時系列でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

「院長の独り言」特別編

小児はり(小児鍼) 〜子どもの鍼治療について〜(2005年10月)

小児はり(小児鍼)とは

みなさんは小児はり(小児鍼)という子どもの鍼治療をご存知でしょうか。

小児はり(小児鍼)は、北海道ではあまり馴染みがないですが、関西などでは昔から乳幼児や小児(子ども)に対してよく行われています。刺さない独特の形をした鍼を使って治療します。小児はり(小児鍼)が使われる症状としては、「夜泣き」や「疳の虫(かんの虫)」が有名です。それ以外の症状、例えば「夜尿症」などに対しても効果があります。

小児(子ども)の特徴

小児(子ども)は常に成長し続けています。そのため成人(おとな)とは形態・生理・病理において異なっています。単に成人(おとな)の縮図ではありません。

中国医学の歴代の小児科医たちは、小児(子ども)の生理的特徴を、臓腑嬌嫩(ぞうふきょうどん:臓腑の働きが弱い)、形気未充(けいきみじゅう:形態と生理機能が充分ではない)、生機蓬勃(せいきほうぼつ:生命力がわきあがっている)、発育迅速(はついくじんそく:発育が速い)という言葉であらわし、病理的特徴を、発病容易(はつびょうようい:発病しやすい)、伝変迅速(でんぺんじんそく:病の変化が速い)、臓気清霊(ぞうきせいれい:臓腑の気がきれい)、易于康復(于は前置詞の働きで「於いて」と同じ意味で漢文では発音しません。:回復しやすい)という言葉であらわしています。

まとめると、小児(子ども)は成人(おとな)と比べると、成熟していないための弱りと成長発育するための旺盛な生命力をもつという相反する面があるので、その点に気をつけなくてはならないということです。これは現代においても、東洋医学による小児(子ども)の診断・治療における重要な指針になっています。

対応する疾患

基本的に鍼灸治療は身体のバランスを整えるということなので、本来何の病気に効くというものではありませんが、小児はり(小児鍼)に対応する疾患をあえて述べるとすると、上述の疳の虫(かんの虫)、夜泣き、夜尿症のほかに、咳(せき)、下痢、風邪(かぜ)、発育不良、先天性虚弱、ひきつけなど、さまざまな病気が対象となります。

「疳の虫(かんの虫)」について

疳の虫(かんの虫)」とは、現在の小児神経症や虚弱体質などを合わせた様なもので、小児(子ども)特有の不眠、不機嫌、むずがり、食欲不振などの症状をいいます。「疳の虫(かんの虫)」は、虫という表現が使われていますが、これは昔は虫におかされるため起こると考えられていたからとされています。

しかし古典など読むと「疳の虫(かんの虫)」は「五疳」ともいい、五臓それぞれに対応する「疳の虫(かんの虫)」があるとされています。これなどは体のバランス、つまり五臓のバランスの崩れにより「疳の虫(かんのむし)」が起こると考えられていたことを示しているのではないでしょうか。

小児はり(小児鍼)の治療方法

古代鍼小児(子ども)に対する具体的な治療方法ですが、基本的には小児鍼という「刺さない鍼(接触鍼という)」を使います。小児鍼(しょうにしん)にはいろいろな種類がありますが、「ローラー鍼」、「ヘラ鍼」などが一般によく使われています。

当院で使用しているのは「古代鍼(こだいしん)」と呼ばれているものを使用しています。

その他状況に応じてお灸なども使われます。お灸は棒灸が使われることがほとんどです。今はほとんど行われませんが、ちりげ(知利気または散気と書く)の灸などの直接灸をすることもあります。

小児はり(小児鍼)のまとめ

今回は小児はり(小児鍼)〜子どもの鍼治療〜、小児(子ども)の疾患について述べてみました。いかがでしたか。子育ては、子どもの成長に喜びを感じる一方、体調の変化に対応しきれずに悩みを抱えることも多いのではないかと思います。

小児はり(小児鍼)を受けることで、解決できることも多々あります。ひとりで悩まずに、何かあればお気軽にご連絡ください。

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