「院長の独り言」年度別

「院長の独り言」を時系列でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

「院長の独り言」年度別

2005年8月〜12月の「院長の独り言」

「カゼ」について(2005年12月)

もう12月ですね、3月まで奈良にいた私にとっては久しぶりの北海道の冬なので今から戦々恐々としています。北海道の冬は、雪はねは大変ですし、家の中は暖かいですが外はとても寒いですので、今から春が待ちどうしいです。

さて、冬になるとどうしても「カゼ」を引きやすくなりますね。東洋医学では「カゼ」について大きくは傷寒(しょうかん:風寒の邪によるもの)と温病(うんびょう:風熱の邪によるもの)があります。

私たちが通常さむけを伴なっておこる「カゼ」は傷寒です。1800年ほど前に書かれた『傷寒論』(しょうかんろん)という本に「カゼ」の治療法が詳しく載っています。落語に出てくる「葛根湯」もこの本に出てきます。傷寒の「カゼ」も初期の状態を大きく分けると麻黄湯(まおうとう)と桂枝湯(けいしとう)のタイプに分かれます。体質などにより漢方薬が異なるのです。

皆さんは「カゼ」を引くと病院に行かれて西洋薬で治される方が多いと思いますが、鍼灸や漢方も有用な治療法の一つです。病院でなかなか治らないときなど試してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、家庭で出来る簡単なものとしては「カゼ」の引き始めでさむけがする場合に、長ネギの白根1本とショウガ15グラムをみじん切りし、味噌大さじ1とカップに一緒にいれ、熱湯を注ぎよくかき混ぜて飲むとか、梅干の黒焼きに醤油少々と熱い番茶を入れ飲むというのもあります。

立川談志ひとり会で思う(2005年10月)

10月7日に道新ホールで「立川談志ひとり会」がおこなわれ、観に行ってきました。

私が談志さんの落語を好きなのは哲学的といいましょうか、単なる笑いではなく考えさせる面があるからです(笑いと健康についていつか書きたいと思っています)。今回の演目は「がまの油」と「死神」でしたが、そのまくらで精神と肉体の不調和について語っていました。

談志師匠自身が年齢によるものと癌になった以降身体が不調で、「精神でやろうとしていることに身体がついていかない」と謂っていました。自分というのは実は一つではなくて精神と肉体のせめぎ合いだということを手と足のケンカのジョークを交えながら語っていました。「死神」を演じたのも誰しもがいつかは訪れる老いや死というものをテーマにしていたからだと思います。

江戸時代の思想家である安藤昌益は「男女」と書いて「ひと」と読ませましたが、精神と肉体が一つになって「ひと」を形作るものなのでしょう。老いや死が精神と肉体の葛藤・不調和であるなら最後の瞬間まで調和させるということの大事さを東洋医学を行う者として改めて感じました。

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心持の大事 〜夢分流打鍼術から〜(2005年9月)

9月11日に札幌コンベンションセンターで(社)北海道鍼灸師会主催の学術講演会が開かれました。私も午後1時からの藤本蓮風先生の夢分流打鍼術という、日本鍼灸の古流派についての特別講演に参加させていただきました。

私は藤本先生のもとで内弟子として学んでいましたので、夢分流についてはある程度の知識はありましたが、今回の講演を聞いて、夢分流のなかの「心もちの大事」ということの大切さを、改めて認識しなおしました。

夢分流を作った夢分翁は、もともと禅宗の僧侶でありましたが、自分の母の病気がなかなか治らなかったため鍼を学び、やがて独自の治療法を編み出しました。

夢分翁が自分の母を治したように、「病気が治ってほしいという一念」その純真な気持ちを忘れず、初心に帰り日々の治療にあたりたいと改めて思いました。

食べすぎにはダイコンやカブを(2005年9月)

早いもので、もう9月、秋の季節になりました。秋は、「食欲の秋」といいますが、ついつい食べ過ぎてしまいますね。

そんな時、ダイコンやカブを皮ごとすりおろした絞り汁を、盃に2〜3杯ほど飲むと消化が助けられます。漢方薬では保和丸などがいいでしょう。

ダイコンは漢方で莱服(ライフク)といい、消食(消化を助ける)働きがあります。中国では白い皮、赤い皮、青い皮と品種が異なるものがありますが、薬性はほぼ同じです。

漢方薬では種を用いることが多いですが、根・葉・茎・種ともに薬用になります。カブもダイコンと同じように消食の働きがあります。でも、食べ過ぎないことが一番ですね。

西瓜(すいか)や胡瓜(きゅうり)を食べて夏バテ防止を(2005年8月)

いよいよ夏ですね。今年の春まで関西にいたので、夏はとても暑かったです。そこで、夏バテ防止にひとこと。

夏暑いとどうしても水分を取り過ぎてしまいますよね。もちろん汗や尿で水分が出るので、その分の水分補給をしなくてはいけません。しかし、冷たいもの、水分、甘いものなどを多量に取ると、東洋医学でいう脾の臓を傷めることになります。そうすると、疲れやすい、食欲不振、無力感等が出ます。

このようなとき、水分を取るために、西瓜(すいか)、胡瓜(きゅうり)などの瓜類をお勧めします。瓜類は清熱利水の働きがあるので、熱を冷まし、余分な水分を外にだしてくれます。ただし、食べるときはあまり冷やし過ぎないように気をつけてください。

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