「院長の独り言」年度別

「院長の独り言」を時系列でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

「院長の独り言」年度別

2007年1月〜6月の「院長の独り言」

東洋医学の基礎理論「陰陽理論」について(2007年6月)

陰陽理論は東洋思想・東洋医学において根本的な理論です。

陰陽理論においては陰陽は対立しながら統一されているとか陰陽が相互に転化するとされています。

現代の我々にとって陰陽理論は一見すると矛盾した非論理的なもののように思えますがこれは陰陽理論が通常日常的に私達が使用している理論とはその論理構造に大きな違いがあるためだと思われます。

古典に「陰をもって陽に引き、陽をもって陰に引き、右をもって左を治し、左を持って右を治す、・・・」というのがあります。

右の病は右で治し、上の病は上で治すのが通常でありましょうが、右の病を左で治し、上の病を下で治すということを述べています。

このことを考えると話が飛びますがユークリッド幾何学と非ユークリッド幾何学の違いに私は思いを馳せてしまいます。

ユークリッド幾何学とは平面における図形の世界です。非ユークリッド幾何学とはユークリッド幾何学以外の世界です。

私達に馴染みのあるユークリッド幾何学の世界では平行な2直線は交わることがありません。

しかし非ユークリッド幾何学の世界では、例えば球面の世界では平行な2直線は交わることもあるのです。

地球儀の経線と緯線を考えてもらうといずれも平行な直線でありますが経線は北極点などで必ず交わり緯線は交わりません。

状況(条件)によって平行な2直線は交わったり交わらなかったりするのです。

非ユークリッド幾何学はあまり使われませんが、ユークリッド幾何学のような平面世界ではなく非ユークリッド幾何学の世界のほうが現実の世界により近いと思います。

リアルな現実の世界は矛盾に満ちた世界であります。

陰陽理論はその矛盾に満ちた世界を矛盾無く説明出来る非常に優れた理論だと思います。

すばらしき地球 辺境からのメッセージ(2007年5月)

先日「すばらしき地球 辺境からのメッセージ」という写真展と講演会に行ってきました。

写真展はEWS(アース・ワークス・ソサエティ)という地球と自然環境の理解を深め、辺境に暮らす人々への支援活動を行う団体のもので大谷映芳さん、星野道夫さん、関野吉晴さん、卜部敏晴さん、松本秀信さん、大橋英児さんなどのEWSのメンバーが世界各地の辺境を旅した写真を展示していました。

グレートジャーニーで有名な関野吉晴さんのも良かったですが、故人となられた星野道夫さんのは写真から迫力が伝わってくるすばらしいものでした。 

講演会はEWSの理事で登山家・TVディレクターの大谷映芳さんによる「辺境からのメッセージ」と星野直子さんと大谷映芳さんの対談「星野道夫と見た風景」でした。

写真を見ながら、講演を聴きながら辺境というものが私達にとってどういう意味があるのか考えてみました。

私達の生活とはかけ離れている辺境に暮らす素朴な人々の暮らしや厳しい自然、そこには私達にはない何かがあります。

それが何なのか解かりませんが、きっと強い生命力を感じるのでしょう。それが私達を引き付けているのだと思いました。

蕗(フキ)と蕗蒲公英(フキタンポポ)(2007年4月)

フキ(蕗)って調べてみたらキク科の多年草なんですね。

蕗の茎は地上で伸びるのではなく地下茎となっていて、早春に葉よりまえに花茎がでます。これを蕗の薹(フキノトウ)とよんでいます。蕗は日本原産で、日本では北海道・本州・四国・九州・沖縄に広く分布し、日本以外でも北は樺太から、朝鮮半島・中国でも見られます。

蕗の薹は春の季語にもなっていて春をイメージさせてくれて天麩羅などにしても美味しいですよね。

蕗は漢方の生薬としてはあまり使われていない様で、似たようなので蕗蒲公英(フキタンポポ)というのが使われています。

蕗蒲公英(フキタンポポ)もキク科の多年草ですが蕗とは異なります。 2〜3月にかけて黄色の花を咲かせ中国名は款冬(カントウ)といいます。

漢方では花を使い【生薬名は款冬花(カントウカ)】辛温で肺に働き、潤肺止咳(ジュンパイシガイ:肺を潤して咳を止める)、消痰下気(ショウタンカキ:痰をなくし気を下げる)の作用があります。

日本の鍼と中国の鍼(2007年3月)

一月に友人に誘われてある中国人の鍼灸の先生の講演を聴きいいきました。

実技も見ることが出来てとても面白かったのですが、中国の鍼と日本の鍼の違いというものを改めて認識させられました。

それは中国人の先生は鍼を刺すときツボを指で探して確認をしないということでした。

同じ鍼でも中国と日本では違うんです。それは鍼の形だけでなく技術的な面や理論的な面まで違いがあります。

一般的には中国の鍼は理論に優れ、日本の鍼は技術に優れているといいます。

これはおそらく日本の鍼は身体の状態を指目とも言いますが指頭により探り、その身体の反応を変に理屈を付けるのではなく感じ取りそれをそのまま元の状態にに返してあげる、それが良いとか悪いとかは別にしておそらくそういう感性を大事にする鍼なのでしょう。

環境の変化と脈の関係(2007年2月)

今年は例年にないほど暖冬ですね。

2月6日から始まった「第58回さっぽろ雪まつり」も暖冬の影響を受けて溶けかかっている雪像もありました。

地球はやっぱりどこかおかしくなってきているのでしょうか。

いま地球の温暖化が大きな問題となっていますが、今のままのペースで進むと今世紀末には北極の氷が夏はすべて溶けてしまうそうです。

環境問題は私達人間にとって大きな問題ですね。

東洋医学では天候や季節などの環境が人間に大きな影響を与えるとしています。 例えば春には弦脈、夏には洪脈など季節によって脈が異なり、季節は人体に大きな影響を与えます。

また風・寒・暑・湿・燥・火などの天候が過不足することによっても病を引き起こす要因になったりします。

この様な天候についての東洋医学における理論が運気論といわれるものです。

黄帝内経という東洋医学のバイブルにも運気論について書かれています。

天元紀大論、五運行大論、六微旨大論、気交変大論、至真要大論、六元正紀大論、五常政大論などがそれです。

運気論は自然界の気候の変化と人体との関係を探る理論です。

人の健康に寄与する仕事をしている私達鍼灸師にとっても環境問題は無関心ではいられない問題です。

『妊婦は太っちゃいけないの?』(高島系子著、新潮社)(2007年年始)

新年 好!(あけましておめでとうございます。)

本年も皆様が健康で幸福な生活を送るためのお手伝いが少しでも出来るように頑張りたいと思っています。

先日患者さんから、「先生この本面白いですよ。」と紹介された本がなかなか面白かったので皆さんにも紹介したいと思います。

本のタイトルは『妊婦は太っちゃいけないの?』。

10数年東洋医学に関する記事を執筆しているライターである高島さんが自身の妊娠出産の経験も踏まえてナーバスになりがちな妊娠中や産後の生活を少しでも楽しめるようになるヒントを書いた本です。

自身が東洋医学に関する記事のライターの為、東洋医学に関する話がたくさん出てきます。

一般の人達にとっては東洋医学に親しむよいチャンスになるのではないでしょうか。

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