「院長の独り言」年度別

「院長の独り言」を時系列でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

「院長の独り言」年度別

2021年1月~6月の「院長の独り言」

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五臓と食べ物(肺の臓)(2021年6月)

今回は肺の臓に良い食べ物を紹介したいと思います。

一般的に肺の臓に良い食べ物とされている主なものは以下のものです。

糯米、大根、白菜、紫蘇、ネギ、ニンニク、ショウガ、ビワ、みかん、梅、スモモ

ちょっと専門的になりますが、同じ肺の臓でも、どの部分が悪いかによってより良い適した食べ物があります。

補気益肺:穀類、山芋、肉類、サバ、サメ、タチウオ、イワシ、カツオ、タラ
【生薬】朝鮮人参、党参、太子参、黄耆、大棗

潤肺降気:百合根、白きくらげ、松の実、白ごま、梨、ビワ、柿、羅漢果、蜂蜜、卵、豆乳
【生薬】阿膠、麦門冬、沙参、玉竹、黄精、杏仁、枸杞子

何かの参考にしてもらえればと思います。

■参考文献:

『薬膳教本』(岡本清孝著、柴田書店イータリンク)

『中医薬膳学』(辰巳洋著、東洋学術出版社)

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五臓と食べ物(脾の臓)(2021年5月)

今回は脾の臓に良い食べ物を紹介したいと思います。

一般的に脾の臓に良い食べ物とされている主なものは以下のものです。

牛豚の内臓、山芋、甘藷、里芋、ジャガイモ、エンドウ、ソラマメ、大豆、にんじん、ゴボウ、蕪、キャベツ、白菜、シソ、パセリ、トマト、ふき、レンコン、ネギ、ショウガ、ニンニク、大根、カボチャ、大麦、リンゴ、ミカン、イチジク、豆腐

ちょっと専門的になりますが、同じ脾の臓でも、どの部分が悪いかによってより良い適した食べ物があります。

補脾益気:穀類、イモ類、シイタケ、キャベツ、肉類、イワシ、タラ、マナガツオ
【生薬】朝鮮人参、党参、黄耆、山薬、扁豆、大棗

健脾益気:大麦、ハト麦、トウモロコシ、インゲン、コイ
【生薬】茯苓、白朮、扁豆

養陰益胃:小麦、黒クワイ、豆腐、豚肉
【生薬】麦門冬、沙参、石斛、玉竹、百合

温裏散寒:ショウガ、ネギ、羊肉、鶏肉、胡椒、山椒
【生薬】肉桂、乾姜

疏肝和胃:そば、玉ねぎ、みかん、ジャスミン
【生薬】陳皮、薤白、玫瑰花(マイカイカ)、仏手

健脾消食:大根、オクラ、かぶ、ニンニク、唐辛子
【生薬】山査子、神麹、麦芽、穀芽

何かの参考にしてもらえればと思います。

■参考文献:

『薬膳教本』(岡本清孝著、柴田書店イータリンク)

『中医薬膳学』(辰巳洋著、東洋学術出版社)

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五臓と食べ物(心の臓)(2021年4月)

今回は心の臓に良い食べ物を紹介したいと思います。

一般的に心の臓に良い食べ物とされている主なものは以下のものです。

ゴボウ、にんじん、ほうれん草、セロリ、セリ、春菊、玉ねぎ、ニラ、ネギ、こんにゃく、きゅうり、ナス、冬瓜、クワイ、ニンニク、シイタケ、きくらげ、アジ、イワシ、サバ、サンマ、マグロ、昆布、ひじき、スッポン

ちょっと専門的になりますが、同じ心の臓でも、どの部分が悪いかによってより良い適した食べ物があります。

益気治血:コメ、小麦、クワイ、豚ハツ
【生薬】西洋参、朝鮮人参、甘草、桃仁

養心安心:にんじん、ほうれん草、落花生、ぶどう、豚ハツ、ナマコ、卵、牛乳
【生薬】竜眼肉、当帰、熟地黄、真珠粉、百合

何かの参考にしてもらえればと思います。

■参考文献:

『薬膳教本』(岡本清孝著、柴田書店イータリンク)

『中医薬膳学』(辰巳洋著、東洋学術出版社)

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五臓と食べ物(肝の臓)(2021年3月)

札幌もだいぶ春らしい日差しになってきました。
春は肝の臓の季節です。
今回は肝の臓に良い食べ物を紹介したいと思います。

一般的に肝の臓に良い食べ物とされている主なものは以下のものです。

枸杞、レバー、スッポン、人参、蕪、セリ、セロリ、アスパラガス、トウモロコシ、金針菜、ビワ、ブドウ、スモモ、鯉、鱒、浅蜊、蛤、蜆

ちょっと専門的になりますが、同じ肝の臓でも、どの部分が悪いかによってより良い適した食べ物があります。

疏肝理気:そば、菜の花、らっきょう、えんどう豆、ハマナス、梅の花、ジャスミン、ミカン、オレンジ、ゆず、レモン
【生薬】陳皮、マイ塊花、枳殻、薄荷、仏手

養血柔肝:にんじん、ほうれん草、落花生、ぶどう、レバー、イカ、マナガツオ
【生薬】当帰、熟地黄、竜眼肉

何かの参考にしてもらえればと思います。

■参考文献:

『薬膳教本』(岡本清孝著、柴田書店イータリンク)

『中医薬膳学』(辰巳洋著、東洋学術出版社)

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立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花(2021年2月)

昔から美人の例えとして用いられている言葉ですが、芍薬も牡丹も百合も漢方薬の生薬として使われます。

芍薬は白芍と赤芍があり、それぞれ薬効が異なります。
赤芍は芍薬の根、白芍は芍薬のコルク皮を除去し湯通しし乾燥させた根です。

白芍
 性味:苦、酸、微寒
 帰経:肝・脾
 効能:①補血斂陰②柔肝止痛③平肝斂陰

赤芍
 性味:苦、微寒
 帰経:肝
 効能:①清熱涼血②去オ止痛③清肝泄火

白芍は補血・養陰の補剤として、赤芍は清熱・駆オ血の瀉剤として使われます。

牡丹は生薬としては根皮が使われ牡丹皮といいます。

牡丹皮
 性味:苦・辛、微寒
 帰経:心・肝・腎
 効能:①清熱涼血②活血散オ③清肝火

牡丹皮は赤芍と同じように清熱・駆オ血の瀉剤として使われます。

百合は生薬名は「びゃくごう」といいます。

百合
 性味:甘、微寒
 帰経:心・肺
 効能:①潤肺止咳②清心安心

百合は潤す働きがあり基本的には補剤として使われます。

このように私達に身近な植物が漢方薬の生薬として使われています。

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2021年年始のご挨拶 ~心技知を磨く~(2021年1月)

あけましておめでとうございます。

昨年は新型コロナウイルスで世界中が大変な一年でしたが、無事にお正月を迎えることができました。

これもひとえに太玄堂鍼灸院を応援してくださる家族、友人そして患者の皆様のお蔭だと思っております。

少しでも皆様方にお返しができるよう本年も精進したいと思っています。

また皆様にとって本年が良い年でありますよう、心よりお祈りいたします。

武道などではよく「心技体」という言葉が使われますが、私達鍼灸師は「心技知」ではないか、などと最近思っています。

武道家の体力に当たるものとして鍼灸師はある一定量以上の知識が必要です。

そのうえでその知識を元に患者さんの身体に変化を起こすのが技ということになります。

知っていることと出来るということの間には大きな隔たりがあります。

そして心ですが、治療者の集中力や患者さんとの関係性など学術以外の部分で治療効果に影響を与えるものもあります。

そのようなことを考えながら本年も初心に返り、一歩ずつ精進していきたいと思います。

2021年1月1日
太玄堂鍼灸院 福田毅

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