「院長の独り言」年度別

「院長の独り言」を時系列でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

「院長の独り言」年度別

2026年1月~6月の「院長の独り言」

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『針麻酔治療入門』(樂嘉裕著、恩地裕訳、永井書店)(2026年4月)

針麻酔は手術のときに薬剤の麻酔薬の代わりに針を使うというものです。

実際に針麻酔による手術も多数行われました。

現在は針麻酔が研究されることはほとんどありませんが、一時期よく研究された時代がありました。

針麻酔が廃れた要因は針麻酔の効果は個人差が大きく、効かなかった時の為に、麻酔薬も常に用意しておかなければなず、二度手間になることも多かったという事だったようです。

針麻酔の利点としては、手術中も患者の意識があり患者に様子を聞きながら手術できることや、麻酔薬のような副反応が無いことだったそうです。

本書『針麻酔治療入門』(樂嘉裕著、恩地裕訳、永井書店、昭和50年発行)はそんな針麻酔がよく研究されていた時代の本です。

手術内容によって、より効果的なツボ、刺針部位も研究されていたようです。

少し内容を紹介すると、

歯:反対側の三間、合谷。同側の局所(人中、迎香、承奬、頬車、觀髎、大迎、下関など)

甲状腺:扶突、後扶突(扶突の後ろ0.5cm)

扁桃腺:合谷、支溝、曲池

肺:内関、聴会、風池

胃:足三里、上巨虚

虫垂:右合谷、右内関。上巨虚、足三里、太衝、三陰交

ヘルニア:三陰交、上巨虚

卵管結紮:顔面針、三叉神経刺激

膝:腰椎3~4外側、大腿神経、坐骨神経、大腿外側皮神経

包帯交換、傷の洗浄:合谷、足三里

※手順:刺針、1~2分念針、1~5分置針、1~2分念針。20~30分後に麻酔効果が最大となる。

※耳針による針麻酔のツボ:交感、神門、皮質下、肺、腹、胰胆など

鍼の世界は広大なものです。

このような先人たちの研究の一つ一つが鍼の学術に厚みをもたらすものだと思います。

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NHK「3か月でマスターする人体」(2026年3月)

「3か月でマスターする人体」はNHKのEテレで水曜午後9:30~10:00(再放送は翌週水曜午後0:15~0:45)に放送されています。

放送スケジュールは以下の通りです。

【2025年】

12月24日 第1回「生命誕生の神秘」

【2026年】

1月7日 第2回「生命の設計図・ゲノム」

1月14日 第3回「“おいしい”を科学する!」

1月21日 第4回「動き続けられる体」

1月28日 第5回「腎臓が寿命を決める!?」

2月4日 第6回「腸内細菌との上手な共存」

2月25日 第7回「感染症との闘い」

3月4日 第8回「最大の臓器・皮膚」

3月11日 第9回「眠りの本質を理解する」

3月18日 第10回「痛みの正体を知る」

3月25日 第11回「生まれか経験か」

4月1日 第12回「未来の私たち」

どれも面白かったのですが、特に個人的に面白かったのを二つ紹介します。

一つは第5回「腎臓が寿命を決める!?」です。

腎臓は尿に関係することだけでなく、臓器の司令塔の働きもしているということでした。

心腎連関、肝腎連関、腸腎連関など他の臓器との関連があるということでした。

また暦年齢と臓器年齢というのも面白かったです。

暦年齢は実年齢ということですが、同じ年齢でも若さには個人差があり臓器年齢つまり臓器の老化具合によって異なるというものです。

具体的には腎臓に病気があると老化が進むということです。

東洋医学も老化と腎の臓は関係が深いと考えているので興味深かったです。

もう一つ第10回「痛みの正体を知る」も面白かったです。

私たち鍼灸師も痛みの疾患の患者さんと向き合うことがおおいのですが、明らかに器質的に問題が有りそれが原因となっている痛み、何らかの原因で痛みの閾値が下がって生じる痛み、心の痛みが体の痛みとして生じてる痛みなど痛みというものは本当に複雑だと日頃から感じています。

第10回「痛みの正体を知る」では脳内のミクログリア細胞の暴走によって神経の働きが異常になって生じる痛みというものがあり、10の刺激で10の痛みが生じるのが普通であるのに10の刺激で100の痛み、ひどいと0の刺激でも痛みを生じるというものがあるそうです。

また辛みは本来は痛み刺激であるのが、ドーパミンやエンドルフィンなどの脳内物質がでて痛みとして感じず、逆に快楽を感じるとか、痛みには社会的な痛みというものも有るという話もありました。

痛みの複雑さを改めて感じました。

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「こころの時代」地面の下に宇宙があった 自然再生家・高田宏臣(2026年2月)

NHK Eテレ2026年2月8日(日)午前5:00に放送された「『こころの時代~宗教・人生~』地面の下に宇宙があった 自然再生家・高田宏臣」を見ました。(※再放送 2026年2月14日(土))

自然再生家の高田宏臣さんが出演され、とても面白かったです。

開発や災害で傷ついた土壌を蘇生させ森林を復活させる活動をしているということで、そのきっかけとなったのが、崖をコンクリートで固める擁壁(ようへき)工事を行ったところ200年以上生きていた大木が僅か2年で根腐れをして倒木してしまったことだそうです。

擁壁(ようへき)工事は法律で基準が決まっているのでしょうがない部分もあるのですが、高田さんはそのことをきっかけに現代の土木工法に疑問を持ったそうです。

そしてたどり着いたのが、木の杭を打ち、石積みの土台をつくり、藁を土に混ぜるという江戸時代に行われていた日本の伝統的な土木工法だったそうです。

現代の工法はコンクリートやシートで土中を塞ぎ分断する工法ですが、伝統的な土木工法は菌糸が土中を張り巡らすことにより植物と土中のつながりを強くします。

また水も土中に十分に蓄えら、余分な水はきちんと地下水脈へと流れるのだそうです。

伝統文化の素晴らしさに改めて感動しました。

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2026年年始のご挨拶(2026年1月)

あけましておめでとうございます。

本年も無事にお正月を迎えることができました。

これもひとえに太玄堂鍼灸院を応援してくださる家族、友人そして患者の皆様のお蔭だと思っております。

本年は基本に立ち返り「からだ」というものに対して見直しをしたいと思っています。

西洋では物質的な(解剖学的な)「からだ」と心(感情としての心、認知作用としての理性的な心を含む)を明確に分けており、それぞれ西洋医学の解剖学・生理学と心理学・心理療法などとして細分化して研究されています。

東洋では心身一如という言葉があるように、肉体と心を含んだ統一的な「からだ」として研究されてきました。

そういったことを含めて「からだ」というものをもう一度考えてみたいと思っています。

本年も皆様にとって良い年でありますよう、心よりお祈りいたします。

2026年1月1日
太玄堂鍼灸院 福田毅

2026年年賀状

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