「院長の独り言」ジャンル別

「院長の独り言」をジャンル別でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

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「院長の独り言」ジャンル別〜鍼灸・漢方・東洋医学・東洋思想・気功編

鍼灸・漢方・東洋医学・東洋思想・気功編 ―2017年-2019年―

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タイプ論(2017年8月)

伝統的な思惟方法の一つに世界をいくつかのパターンに分けてそれぞれの関係性で説明するというのがあります。

この思惟方法を人間に当てはめて考えるとタイプ論ということになります。

卑近な例だと血液型占いがそうです。

A型はまじめ、O型はおおらか、とかのやつですね。

血液型占いの是非はともかく、もう少し学術的なものでは、エゴグラムやエニアグラムなどがあります。

それぞれ心の働きを5つや9つに分類しそれぞれの過多によって性格を説明しようとするものです。

面白いところでは類人猿診断というのもあります。

オラウータン(単独行動で職人気質)、チンパンジー(ムラッ気はあるがリーダーシップがある)、ゴリラ(秩序を守る物静かなタイプ)、ボノボ(愛嬌があってお互いの気持ちを大切にする)の4タイプに人を分けて、チームで仕事をするときはすべてのタイプがそのチームにいると、チーム内のコミュニケーションが良くとれ、チームの働きが良くなるというものです。

東洋思想においては、陰陽や五行などによって世界を分析し説明していました。

ちなみに、五行の分類の一例として、『霊枢』の陰陽二十五人篇によると、人を五行に分けたそれぞれの容姿について述べています。

  • 木形の人:頭は小さく、顔は長く、肩と背は広く、身体は真っ直ぐ、手足は小さい。
  • 火形の人:背脊は広く、面は痩せ、頭は小さく、肩背髀腹の発育は良く、手足は小さい。
  • 土形の人:丸顔で、頭は大きく、背背は豊かで健康美があり、腹は大きく、下肢は大腿から足脛にいたるまで壮健で、手足は小さく、肌肉は豊満で、全身の上下それぞれ均整がとれている。
  • 金形の人:顔が四角で、頭が小さく、背背が小さく、腹が小さく、手足が小さく、足首から下が硬く丈夫。
  • 水形の人:頭が大きく、頤が広く、両肩は小さく、腹部は大きく、手足を動かすことを好む。

私達が古典を学ぶには、昔の人がどの様にして、ものを見、考えたかというところも知る必要があるように思います。

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証(2017年6月)

証というのは東洋医学において一番大事なもので、また一番難しいものでもありますが、簡単に言うと東洋医学的な病の診立てです。

今回は「証」という漢字を考えてみたいと思います。

手元の漢和辞典『学研漢和大辞典』(藤堂明保編、学習研究社)で調べてみました。

(1)「證」

@あかす。実情を上司や役所に申し上げて登録する。このとおりであると、ありのままを上司や役所に申し立てる。あかしをたてる。証言。

A事実をのべてうらづける。証明。論証。

Bあかしをたてる書類や物件。物証。

病気であることをうらずける(※うらづけるに修正)実際の病状。症。

Dさとる。さとり。

(2)「証」

@いさめて誤りをただす。

通常使われる「証」は「證」という旧字の新字です。

その他に「証」という字もありました。

「證」は「言」と「登」の会意兼形声文字で「事実を上司の耳にのせる」「上申すること」転じて「事実を申しのべて、うらづける」の意となります。

「証」は「言」と「正」の会意兼形声文字で「意見を述べて、あやまりをただすこと」となります。

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春は青(2017年4月)

4月は入学式、桜の開花(北海道の桜の開花はゴールデンウィーク頃になりますが・・・)などもあり、より一層、春を感じさせる季節ですね。

春は五行では「木」となります。

五行は、木・火・土・金・水の五つですが、それぞれ色が配当されています。

木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒となります。

なので、春は青色ということになります。

青春という言葉や四神のひとつ東方の神、青龍(木は東方にも配当されている)はそこから来ています。

ちなみに古代においての青色とは現在の青色では無かった様なんですね。

現代においても若葉のことを青葉と言ったり、緑色だけど青信号と言ったりその名残がありますが、古代においては現在の緑色を青色と言っていた様なんですね。

そうすると春が青というのも理解出来ますね。

春になると草花が文字通り青々と生えてくる。

なので、春は青である。

つまり、古代における青色は現代の緑色も含んだ幅広い寒色系の色のことだったんです。

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アンチエイジング(2017年3月)

アンチエイジングという言葉がよく聞かれるようになって久しいですが、アンチエイジングとは「抗老化」と訳され、老化に抵抗すること、つまり「老化による身体の機能的な衰えを最小限にして、いつまでも若々しく元気にいようとすること」です。

実践としては栄養や運動の指導、意欲向上や心身ストレスを減らすことが重要性であるとされています。

東洋医学としてはこの問題をどう捉えているかというと基本的には元気が段々少なくなっていくことにより身体の機能的な衰えが起こると考えています。

東洋医学においては元気のエンジンが先天の元気と後天の元気の二つあります。

後天の元気は五臓の脾の臓が中心で、飲食物から生みだされた元気です。

先天の元気は五臓の腎の臓が中心で、生まれながらに持っている元気です。 

先天の元気はちょっと分かりづらいかもしれませんが、植物の種をイメージしてみてください。

植物の種は外からのエネルギーを得ずに発芽し根を出します、ある程度根が張り葉が育って外からエネルギーを得るまでは種が本来持っているエネルギーが必要です。

人間も赤ちゃんがオギャーと生れて、お母さんの母乳で育ちますが、いかに母乳が栄養価が高いとはいえ、短期間にあれだけの成長をするには、植物の種の様に人間にも生まれながらに持っている元気が必要と東洋医学では考えます。

生まれてからある程度体が育ち、飲食物から後天の元気が十分に生み出されるまで、先天の元気のエンジンはフル稼働ですが、その後は後天の元気のエンジンがメインになります。

しかし先天の元気のエンジンもある一定出力し続けているので、やがて先天の元気が不足するようになり、それが老化による身体の機能的な衰えとして現れます。

そのため東洋医学では先天の元気を補いつつ(限度はありますが食べ物などによってある程度補えます)使いすぎない様にすることが、東洋医学的なアンチエイジングになります。

話は脱線しますが、個人的にはアンチエイジングという言葉の響きには少し違和感があります。

アンチエイジングが目指す効果にはもちろん異論はありませんが、アンチエイジングという言葉の響きの奥には老化という自然の摂理を忌むべき対象物として捉える意識があるように思います。

東洋医学というものは「自然に逆らわず、人を幸せにする技術」であります。

エイジング、歳をとることは、忌むべきものとして捉えるのではなく、人間をも含んだ自然の摂理であり、受け入れていくべきものだと思います。

その中でどの様にエイジング、歳をとっていくのかが大事だと思います。

アンチエイジングではなく、何かもっと別の言葉、例えばグットエイジング、「良い歳のとり方」、などの方が個人的にはしっくりくるような気がします。

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