「院長の独り言」ジャンル別

「院長の独り言」をジャンル別でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

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「院長の独り言」ジャンル別〜薬草・健康食材編

薬草・健康食材編 ―2005年-2007年―

蕗(フキ)と蕗蒲公英(フキタンポポ)(2007年4月)

フキ)って調べてみたらキク科の多年草なんですね。

蕗の茎は地上で伸びるのではなく地下茎となっていて、早春に葉よりまえに花茎がでます。これを蕗の薹(フキノトウ)とよんでいます。蕗は日本原産で、日本では北海道・本州・四国・九州・沖縄に広く分布し、日本以外でも北は樺太から、朝鮮半島・中国でも見られます。

蕗の薹フキノトウ)は春の季語にもなっていて春をイメージさせてくれて天麩羅などにしても美味しいですよね。

蕗は漢方の生薬としてはあまり使われていない様で、似たようなもので蕗蒲公英フキタンポポ)というのが使われています。

蕗蒲公英(フキタンポポ)もキク科の多年草ですが蕗(フキ)とは異なります。 2〜3月にかけて黄色の花を咲かせ中国名は款冬(カントウ)といいます。

漢方では花を使い【生薬名は款冬花(カントウカ)】辛温で肺に働き、潤肺止咳(ジュンパイシガイ:肺を潤して咳を止める)、消痰下気(ショウタンカキ:痰をなくし気を下げる)の作用があります。

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秋の味覚 梨で身体を養う(2006年9月)

秋ですね。

秋といえばスポーツの秋、読書の秋、そして食欲の秋でもあります。秋には様々な味覚のものがありますが、そんななかで、今回は梨についてです。

今回も中国・明の時代に書かれた『本草綱目(ほんぞうこうもく)』からみてみましょう。(ちなみに『本草綱目』では梨の実、花、葉、木の皮。それぞれ項目を分けて書かれており薬としての働きがそれぞれ微妙に異なりますが、ここで述べるのは普段私達が食する実についてです。)

四気五味(しきごみ・東洋的な薬性の分け方)では甘、微酸、寒とあり、多く食べ過ぎると冷やす作用があります。ですから本草綱目では怪我をしているもの、婦人、血虚(けっきょ:血のエネルギー不足)のものは梨を食べ過ぎてはいけないと書かれています。

果物は水菓子(みずかし)ともいわれ、一般にはすべて身体を冷やすものと思われています。 しかしなどは温の性質があります。ですから果物でも、そのものによって性質が異なるのです。 まあでも、果物全体をみると冷やす性質のものが多いのも確かですが・・・。

梨の効用としては、熱による咳、咽の渇き、火傷のあとに切片にして貼るとか(これなどはアロエと同じ働きです。)、あと中風、大小便の出が悪いとき、酒毒を抜くときなどに使われます

NHKの『チャングムの誓い』を観ると梨がよく隠し味に使われたりしていますよね。

思うのですが、韓国の料理には唐辛子やニンニクなどを多用し日本に比べて辛いです。漢方では辛いものを多く食すと身体のなかに熱が生じるとされています。だから韓国の人はその熱をとるために長い伝統のなかで自然と梨が料理に使われるようになったのではないでしょうか。

四気五味に関する記事

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稗(ひえ)・粟(あわ)(2006年8月)

今回は(あわ)と(ひえ)についてです。

中国・明の時代の『本草綱目』によると、(あわ)は腎気を養い、脾胃の熱を取り、気を益し、咽の渇きを取り、小便の出をよくする働きなどがあります

(ひえ)は気を益し、脾をよくする働きなどがあります。また稗の苗根には怪我などによる出血を止める働きなどもあります

現代では稗(ひえ)や粟(あわ)を食することはあまりありませんが、昔は五穀(稲・麦・粟・稗・豆)を食していました。

今でも神社などで五穀豊穣の祈願をされたりしますよね。

ちなみに、五穀は通常は稲・麦・粟・稗・豆の五つとされますが麻(あさ)や黍(きび)を入れた別説もあります。

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稲(2006年8月)

今回はつまりお米についてです。

中国・明の時代の『本草綱目』によると稲には「補中益気(ほちゅうえっき、気を補う)や下痢を止める働きがある」とされています。

その他には脾胃を暖め小便をみじかくし、自汗(じかん、何もしていないのにだらだら出る汗)を止める働き、気のめぐりをよくするなどの働きもあります。 また米には熱を多く発生し便を堅くする面もあります。

漢方薬としては稲の発芽(穀芽、こくが)を健脾開胃(けんひかいい)・消食和中(しょうしょくわちゅう)の目的で、つまり脾胃虚弱、食欲不振、味が無い、腹満などの症状に用いられます

穀物は我々が生きていくなかで大変大事なものです。

東洋医学では麦や米のほか、黍(きび)や稗(ひえ)や豆の五つを合わせて五穀とし、食べ物のなかでも重要なものとして位置づけています。

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小麦(2006年8月)

前回は大麦についてでしたが、今回は小麦についてです。

小麦は漢方では「しょうばく」と呼び、精神不安やヒステリーのときに使われる甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)という漢方薬などに使われます。

中国・明の時代の『本草綱目』によると小麦は「心気を養い、心病はこれを食すによろし」と書かれています。その他の効能には咽の渇きを止め、小便の通りをよくし、肝気を養い、女性は妊娠しやすくする働きなどがあります

また漢方薬として使うには南方産より北方産のほうが良く、皮のほうにも薬効があるので全体を使います。

大麦と小麦、漢方では効能が全然違うんです。

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ビールのもと大麦麦芽(2006年8月)

夏はビールが美味しい季節ですね。札幌でもいま大通公園などでビアガーデンが開催されています。

ご存知の通りビールは大麦の麦芽汁にホップを加えそれを発酵させてできます。 このビールの原材料である大麦の麦芽の東洋医学的な意味を簡単にですがちょっと述べてみたいと思います。

  1. 健脾開胃(けんぴかいい)・行気消食(こうきしょうしょく)・・・食べ過ぎたときなどに胃腸の働きを高め消化を助ける働きがあります。
  2. 舒肝(じょかん)・・・肝臓の働きをよくして気の流れをのびやかにする。
  3. 回乳(かいにゅう)・・・乳汁が欝滞して乳房が張って痛んだり、授乳を中止する場合に用います。

以上が大麦麦芽の東洋医学的な主な働きです。

麦芽に消化を助ける働きがあるというのも面白いですね。 ということはビールに加工されても消化を助ける働きはある程度あるわけです。 だからといって食べすぎ飲みすぎにはくれぐれも御注意を!

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ひやしあめ 〜水飴で胃腸を助け、生姜で胃を温める〜(2006年7月)

北海道も例年より大分遅いですがようやく夏らしい日が続くようになりました。

暑いとついつい冷たいものが欲しくなりますよね。

私は関西に何年か住んでいたのですが、この時期ひやしあめ(冷やし飴)という飲み物が飲まれます。

北海道も含め東日本ではあまり知られていませんが関西では昔からある定番の飲み物で簡単にいうと水飴生姜の入った冷たいドリンクです。

面白いのは水飴と生姜が入っていることです。

水飴は漢方では膠飴(こうい)といい胃腸を助ける働きがあります。また生姜はカゼのときなどに使われる生薬ですが実は胃を温める働きもあるのです。

このように冷たいものを飲んでも胃腸をこわさない様に水飴と生姜が入った冷たい飲み物。

それが、ひやしあめなんです。

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東洋医学でも使う蒲公英(たんぽぽ)(2006年5月)

発寒川沿いのたんぽぽ01 発寒川沿いのたんぽぽ02
発寒川沿いのたんぽぽ03 (平成18年5月11日、撮影場所:発寒川沿い、撮影:福田)

近所の発寒川沿いを歩いているとたんぽぽが咲いていました。

たんぽぽは英語ではdandelionといい、葉がライオン(lion)の歯(dande)の形をしているところからその名がついたそうです。

ヨーロッパでは葉をサラダにしたり、また根をコーヒーの代わりにすることもあります。

たんぽぽは漢字では蒲公英と書きます。

東洋医学でも字は同じ蒲公英と書きますが呼び方が異なり「ほこうえい」と呼びます。

たんぽぽは東洋医学では清熱解毒(せいねつげどく)、消腫散結(しょうしゅさんけつ)、清利湿熱(せいりしつねつ)、清利湿熱(せいりしつねつ)などの働きがあります

簡単にいうと体のなかの熱を鎮め水分代謝を良くするといったところでしょうか。

身近な野草も漢方薬として使われている大切なものなんですね。

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桃(2006年3月)

3月3日は桃の節句(ひな祭り)ですね。ということで、今回はについてお話します。

桃は昔から長寿のシンボルであり、中国では桃符(とうふ)といって桃の木から作った魔除けもあるように、魔よけ・厄除けのシンボルでもありました。

そう考えると、鬼を退治した桃太郎が、栗太郎柿太郎ましてや葉加瀬太郎でなかったのも理解できます(笑)

また孫悟空が岩に閉じ込められたのは崑崙山(こんろんさん)で西王母の不老長寿の桃を勝手に食べたためでした。

そのような桃は漢方薬でもよく使われ、特に桃仁(トウニン)といって桃の種の殻を割った中の種を使います。

桃仁は、女性の血の道症(現代の更年期障害など)などの婦人病や便秘などによく使われます。

また、桃の果肉は顔の色つやを良くし、肺の働きを高める働きがあります。

桃の葉は昔からあせもやおできなどの皮膚疾患に入浴剤として使われました。現在でも桃の葉エキス入りの入浴剤があります。

身近な桃にも色んな働きがあるんですね。

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食べすぎにはダイコンやカブを(2005年9月)

早いもので、もう9月、秋の季節になりました。秋は、「食欲の秋」といいますが、ついつい食べ過ぎてしまいますね。

そんな時、ダイコンやカブを皮ごとすりおろした絞り汁を、盃に2〜3杯ほど飲むと消化が助けられます漢方薬では保和丸などがいいでしょう

ダイコンは漢方で莱服(ライフク)といい、消食(消化を助ける)働きがあります。中国では白い皮、赤い皮、青い皮と品種が異なるものがありますが、薬性はほぼ同じです。

漢方薬では種を用いることが多いですが、根・葉・茎・種ともに薬用になります。カブダイコンと同じように消食の働きがあります。でも、食べ過ぎないことが一番ですね。

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西瓜(スイカ)や胡瓜(キュウリ)を食べて夏バテ防止を(2005年8月)

いよいよ夏ですね。今年の春まで関西にいたので、夏はとても暑かったです。そこで、夏バテ防止にひとこと。

夏暑いとどうしても水分を取り過ぎてしまいますよね。もちろん汗や尿で水分が出るので、その分の水分補給をしなくてはいけません。しかし、冷たいもの、水分、甘いものなどを多量に取ると、東洋医学でいう脾の臓を傷めることになります。そうすると、疲れやすい、食欲不振、無力感等が出ます。

このようなとき、水分を取るために、西瓜(スイカ)胡瓜(キュウリ)などの瓜類をお勧めします。瓜類は清熱利水の働きがあるので、熱を冷まし、余分な水分を外にだしてくれます。ただし、食べるときはあまり冷やし過ぎないように気をつけてください。

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