「院長の独り言」年度別

「院長の独り言」を時系列でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

「院長の独り言」年度別

2022年1月~6月の「院長の独り言」

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夏バテ、熱中症予防(2022年6月)

ラニーニャ現象の影響もあり3か月予報では、今年の夏は平年並みか平年より暑くなる予想です。

今年も夏バテや熱中症に気を付けなくてはなりませんね。

ちなみに熱中症、日射病、熱射病と似たような症状ですが、高温の場所でおこる、熱による障害を総称して熱中症といいます。暑さで体温のコントロールができなくなり、熱が体内にこもってしまった状態です。強い直射日光での場合は日射病、閉め切った部屋や車の中など、高温でおこれば熱射病といいます。

つまり、熱中症の中に日射病と熱射病があるということです。

熱中症予防としては、クーラーや扇風機などを上手に使うこと、水分とミネラルの十分な補給と睡眠が何よりも大切です。

その他の予防法としては例えば食べ物では以前院長の独り言で紹介しましたが、西瓜や胡瓜などのウリ類、東洋医学的にはウリ類は熱をさます清熱の働きと余分な水分を外に出す働きもあるのでお勧めです。

特に西瓜は漢方としても使われるので特にお勧めです。

その他の予防法としては例えば漢方薬では、清暑益気湯などが夏バテ、熱中症予防に使えます。

清暑益気湯は益気生津、清熱化湿の働きで、元気を高め、熱をさます働きがあります。

鍼灸では例えば指の先端の井穴や百会など清熱のツボや元気を高めるツボなど適宜状況に合わせて使います。

一般の方は鍼はできないので足三里や関元などの元気のツボにお灸をしたり、百会や指先の爪もみなどで代用するのも一つの方法です。

今年の夏も元気に乗り越えましょう。

夏バテに関する過去の記事

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ヒューマニエンス クエスト「“皮膚” 0番目の脳」(2022年5月)

2022年4月27日にヒューマニエンス クエスト「“皮膚” 0番目の脳」が放送されました 。

成人男性では皮膚は約3キロの重さだそうです。

五感の中では触覚が一番最初に生まれ、妊娠7週ぐらいから胎児は子宮の中で色々触れ始まります。

赤ちゃんの成長には皮膚を通した接触、スキンシップがとても重要だそうです。

皮膚のセンサーは触覚だけでなく、光を感じるセンサーや色を赤や青などの感じるセンサー、味や臭いを感じるセンサー、高周波域の音を感じるセンサーなどがあることが分かっているそうです。

個人的に面白かったのは傷の修復に赤色や白檀の香が効果があるというものでした。

また皮膚でもオキシトシンが生成されるということで、スキンシップの皮膚刺激が脳に伝わって脳でオキシトシンが生成されるだけでなく、スキンシップの皮膚刺激そのものによって皮膚でもオキシトシンが生成されている可能性があります。

いずれにしても皮膚にはまだ分かっていないことが多く、皮膚の潜在能力には計り知れないものがあるように思いました。

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中医学(2022年4月)

日本の鍼灸における東洋医学の流派で、大きなものは経絡治療と中医学ですが、2021年11月の独り言で経絡治療について簡単に説明しました。(*「経絡治療について」(2021年11月))

今回は中医学について簡単に説明したいと思います。

中医学は1950年代半ば毛沢東の号令により国家プロジェクトとして中国伝統医学を整理統一して、中国国定の伝統医学として中医学が生まれます。

1958年に最初の『中医学概論』が発刊され、その後幾度かの改訂を経て現在に至ります。

国家のお墨付きとなる国定化は、東洋医学以外でも例えば太極拳にもあります。

主要なものだけでも楊式、陳式、呉式、武式、孫式などの太極拳の流派がありますが、私達が一般にカルチャーセンターで習う太極拳は簡化太極拳(24式太極拳ともいう)という中国国定の太極拳がほとんどです。

ちなみに毛沢東は中医学と西洋医学を最終的には結合させて第三の医学を作ろうという遠大な構想を持っていましたが、これはうまくいきませんでした。

1972年の日中国交正常化以降、日本に中医学が伝わります。

中国で行われていた東洋医学つまり中医学がそのまま日本で行われます、この流れは現在まで続きます。

その後日本式中医学というようなものが生まれます。

中医学理論を基本的には用いるのですが、治療は日本式だったり、中医学理論そのままではなく一部改変したりという、日本化した中医学を用いる流派が出てきます。

中医学の日本での受容を考えるときに私は漢字を思い浮かべます。

漢字も中国で生まれ日本に伝わりましたが、日本化されていて現在中国で使われている漢字と、現在の日本の漢字では異なります。

漢字という便利な道具が日本語から無くなることは考えられませんね。

東洋医学の理論も結局は道具ですので、中医学という便利な道具を無くすのはもったいないですし、より使いやすいように改変されて日本に根付いていくのだと思います。

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サイエンスZERO「”知られざる国民病”天気痛の正体に迫る!」(2022年3月)

2月27日(日曜日)午後11時30分からNHKの教育チャンネルで、サイエンスZERO「”知られざる国民病”天気痛の正体に迫る!」が放送されました。

天気痛とは天気の変化により頭痛や慢性痛の悪化、肩こり、倦怠感、めまいなどの身体の不調が生じることをさします。

日本では推定1000万人ほどの患者さんがいるとのことでした。

番組では愛知医科大学客員教授佐藤純さんが気象予報士の協力のもと天気痛のメカニズムを解明した過程を紹介していました。

まず天気が崩れるのは気圧が下がるときなので気圧の変化を感じるセンサーが身体のどこかにあるはずだというところから、内耳がそのセンサーであり、気圧の変化により内耳の前庭神経の興奮が三叉神経や自律神経に影響を与えることにより天気痛が発症することを見つけました。

また天気痛には3パターンあり、大きい気圧の変化によっておこるもの、微気圧変動によっておこるもの、大気潮汐のズレによっておこるものがあります。

微気圧変動とは台風などの大きな気圧の変化が起こる前に(例えば1~2日前に)繰り返し早いスピードで0.5hp程の細かい変動があることで、患者さんによってはこの変動を過敏に感じとることにより天気痛が発症します。

大気潮汐とは太陽によって空気が暖められることによっておこる気圧の一日における周期的な変化であり通常は1~2hp程の一定の変化なのが何らかの理由で2~4hpの変化にズレることがありこれによって天気痛が発症します。

決まった時間に頭痛など天気痛がおきる場合などはこのケースが多いそうです。

東洋医学的にこれをどのように解釈するのかというのは難しいところもありますが、気圧の変化は風邪(フウジャ)として捉えることも可能でしょうし、耳が関係しているところから三焦経、胆経、腎経などが関係してると捉えることもできそうです。
(脈やツボの状態、問診の情報などを総合的に判断しなければなりませんが、・・・)

いずれにしても鍼灸治療をするうえで一つの参考になりました。

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雨水(2022年2月)

今年の2月19日は二十四節気の雨水です。

二十四節気は一年を24に分けたもので、太陽黄経が330度のときです。

雨水とは、空から降る雪が雨へと変り、積もった雪も解けて水になるという意味です。

雨水の前は春が始まる「立春」、雨水の次は、冬ごもりしていた生き物が活動し始める「啓蟄(けいちつ)」となります。

つまりだんだん春が進んでいく様子が表現されています。

ちなみに、西洋占星術では雨水を双魚宮(うお座)の始まりとなります。

北海道では、雨水の頃はまだまだ冬ではありますが、日差しは少しずつ春らしくなってきました。

春が待ち遠しいですね。

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2022年年始のご挨拶(2022年1月)

あけましておめでとうございます。

本年も無事にお正月を迎えることができました。

これもひとえに太玄堂鍼灸院を応援してくださる家族、友人そして患者の皆様のお蔭だと思っております。

少しでも皆様方にお返しができるよう本年も精進したいと思っています。

新型コロナウイルスによってこの二年間世界的に大変な日々が続いています。

早く収束することを願い、また皆様にとって本年も良い年でありますよう、心よりお祈りいたします。

2022年1月1日
太玄堂鍼灸院 福田毅

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