「院長の独り言」ジャンル別

「院長の独り言」をジャンル別でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

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「院長の独り言」ジャンル別〜薬草・健康食材編

薬草・健康食材編 ―2014年-2016年―

七味唐辛子(2014年12月)

七味唐辛子はうどん・そばなど多くの料理の薬味として使う私たちに身近な調味料です。

この七味唐辛子、始まりは江戸時代になります。

江戸時代に徳右衛門が両国薬研堀にて漢方薬を参考にして作ったのが始まりで、それが全国に広まったと言われています。

東京の外で有名なのは長野の善光寺京都の清水寺の参道でその土地独自の七味唐辛子が生れました。

ちなみに薬研堀は名前の通り医者や薬問屋が多かったそうです。

七味唐辛子の原料は、
東京は、赤唐辛子(生)、赤唐辛子(焙煎)、粉山椒、黒胡麻、陳皮、ケシの実、麻の実で、
長野は 赤唐辛子(乾燥)、生姜、粉山椒、黒胡麻、陳皮、青紫蘇、麻の実で、
京都は、赤唐辛子(乾燥)、青海苔、粉山椒、黒胡麻、白胡麻、紫蘇、麻の実だそうです。

七味唐辛子使われる主な生薬が東洋医学的にどのような働きがあるかみてみましょう。

食物名四気五味帰経効能適応症
唐辛子辛、熱心、脾温中散寒、健脾消食寒滞腹痛、食欲不振
山椒
(サンショウ)
辛、温、小毒脾、胃、腎、肺温中散寒、燥湿除痺、温経止痛、殺虫脾胃寒証の疼痛、嘔吐、下痢、リウマチ、生理痛、寄生虫による腹痛
黒胡麻
(クロゴマ)
甘、平肝、腎滋補肝腎、潤燥滑腸、養血益精肝腎不足、精血キ損の白髪、めまい、空咳、便秘
陳皮辛、苦、温脾、肺理気調中、健脾燥湿化痰脾胃気滞、湿阻中焦による胸悶、ゲップ、吐き気、嘔吐、食欲不振、大便不調
ケシの実酸、渋、平肺、大腸、腎斂肺止咳、渋腸止瀉、止痛慢性咳嗽、下痢、筋肉痛、関節痛
麻の実甘、平脾、胃、大腸潤腸通便、滋養補虚腸燥便秘
生姜
(ショウガ)
辛、微温肺、脾発汗解表、温胃止嘔、温肺止咳、魚介類の中毒の解毒風寒カゼ、咳、胃寒嘔吐、中毒(魚・カニ・半夏・天南星)
紫蘇
(シソ)
辛、温肺、脾発表散寒、行気寛中、魚介類の中毒の解毒風寒カゼ、咳、脾胃気滞、嘔吐、胸悶、魚やカニの中毒
白胡麻
(シロゴマ)
甘、寒肺、脾、大腸清熱滑腸、行気通脈皮膚の乾燥、めまい、便秘、筋肉無力、痰、赤み、頭通

全体を通してみてみると、身体を温め、カゼや咳に効果のあるものが多いので、温かいそばやうどんに七味唐辛子をかけて食べるのはカゼ気味のときによいです。

七味唐辛子という身近なものにも東洋医学の知恵が使われているというのは面白いですね。

用語解説

※「四気五味」:その食べ物の持っている性質のこと。

※「帰経」:その食べ物が働く場所のこと。

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七味唐辛子 関連情報
東京・長野・京都の七味唐辛子
参考文献およびその他薬膳・東洋医学関連書籍
実用 中医薬膳学基本としくみがよくわかる
東洋医学の教科書
薬膳素材辞典
―健康に役立つ食薬の知識
辰 巳洋著平馬 直樹、浅川 要、辰巳 洋監修辰巳 洋編集
東洋学術出版社ナツメ社源草社

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秋の食べ物(2014年10月)

今回は秋の食べ物を考えてみました。

秋の食べ物で、個人的にぱっと浮かぶのは、さけ、かぼちゃ、ぎんなん、じゃがいもでしょうか。

今回もそれらの食べ物を『中医薬膳学』(辰巳洋著、東洋学術出版社)で現代中医学的に調べてみました。

食物名四気五味帰経効能適応症
さけ甘、温脾、胃清熱解暑、除煩止渇、利尿気血虚弱、胃痛、食欲不振、疲労、眩暈、浮腫など
かぼちゃ甘、温<脾、胃補気、健脾脾気虚、悪心、嘔吐、潰瘍、便秘など
ぎんなん甘、苦、渋、平、小毒肺、腎斂肺定喘、収斂止帯慢性咳喘、帯下、遺精、頻尿、血便など
じゃがいも甘、平胃、大腸補気健脾脾気虚、悪心、嘔吐、便秘など

これらの秋の食べ物は、脾胃を助け気を補うものが多いですね。

用語解説

※「四気五味」:その食べ物の持っている性質のこと。

※「帰経」:その食べ物が働く場所のこと。

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―健康に役立つ食薬の知識
辰 巳洋著平馬 直樹、浅川 要、辰巳 洋監修辰巳 洋編集
東洋学術出版社ナツメ社源草社

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夏の食べ物(2014年7月)

7月になりました。

今回は夏の食べ物を考えてみました。

夏の食べ物で、個人的にぱっと浮かぶのは、スイカ、トマト、アジ(鰺)、キュウリでしょうか。

今回もそれらの食べ物を『中医薬膳学』(辰巳洋著、東洋学術出版社)で現代中医学的に調べてみました。

食物名四気五味帰経効能
スイカ甘、寒心、胃、膀胱清熱解暑、除煩止渇、利尿
トマト甘、酸肝、脾、胃生津止渇、健胃消食
アジ(鰺)甘、温温胃和中
キュウリ甘、涼脾、胃、大腸清熱解毒、利水消腫、潤膚美容

これらの夏の食べ物は、基本的に熱を冷ましたり、胃腸を助ける働きがあるものですね。

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―健康に役立つ食薬の知識
辰 巳洋著平馬 直樹、浅川 要、辰巳 洋監修辰巳 洋編集
東洋学術出版社ナツメ社源草社

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春の食べ物(2014年4月)

4月になりました。

今回は春の食べ物を考えてみたいと思います。

春の食べ物で、個人的にぱっと浮かぶのは、タケノコ、春キャベツ、さやえんどう(えんどう豆)、はまぐりでしょうか。

今回はそれらの食べ物を『本草綱目』ではなく『中医薬膳学』で現代中医学的に調べてみました。

食物名四気五味帰経効能
タケノコ甘、寒胃、大腸清熱化痰、解毒透疹、滑腸通便
キャベツ甘、平胃、腎補中益気
さやえんどう
(えんどう豆)
甘、平脾、胃健脾益気、利湿、生津、通乳、解毒
はまぐり甘、鹹、寒肺、胃、肝滋陰利水、化痰軟堅
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東洋学術出版社ナツメ社源草社

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冬の食べ物(2014年1月)

2月になりました。

暦の上では立春を過ぎ「春」となりましたが、まだまだ北海道は寒い冬であります。

今回は冬の食べ物を考えてみました。

冬の食べ物といって、個人的に思い浮かぶのは、長いも、レンコン、大根、みかんなどですが、今回はこれらの食べ物の東洋医学的な働きを見てみたいと思います。

今回も『本草綱目』から見てみます。

食物名気味(性質)主治(主な働き)
長いも(薯蕷)甘、温、平、無毒身体の弱りを補う、寒熱の邪気を除く、脾胃を補い、気力を益す、肌肉をます、長く服すと耳目を聡明にし身体を軽くし寿命をのばすなど
レンコン(藕)甘、平、無毒熱渇に効く、血の滞りをとる、消化をたすける、酒毒をとる、肌に良い、長く食すと人を元気にするなど
大根(莱フク)根は辛・甘
葉は辛・苦、温、無毒
ガスを出やすくする、消化を良くする、痰をなくす、関節を良くする、顔色を良くする、邪熱をとるなど
みかん(橘実)甘、酸、温、無毒甘なるものは肺を潤し、酸なるものは痰を集める。消渇を止め、胃を開き、胸のつかえを取り除くなど

食物名のカッコ内(“長いも”の“薯蕷”など)は『本草綱目』の記載によるものです。

『本草綱目』で使われる用語は、通常使われる日本語とは異なる用語も多いですし、例えば大根などは現代中国語とも異なります。

『本草綱目』を直接参照される方はその点も注意されると良いかと思います。

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参考文献

『本草綱目』(安微科学技術出版社)

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