かんたん中医学講座

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かんたん中医学講座 第8回「漢方薬について」

みなさん、お久しぶりです。福田です。

かんたん中医学講座もようやく第8回目を迎えました。さあ、頑張ってまいりましょう。

今回は漢方薬についてお話をします。

漢方薬はたくさんの種類があります、勉強するのも大変ですが、その手助けの一つになるのが漢方薬の分類です。

歴史的にも色々分類されており、例えば治法とも関連するのですが、『医学心悟』の「汗、吐、下、和、温、清、消、補」の八法『医方集解』の「補養、発表、涌吐、攻裏、表裏、和解、理気、理血、キョ風、キョ寒、清暑、利湿、潤燥、瀉火、除痰、消導、収渋、殺虫、明目、廱瘍、経産、救急」の22に分けたものなどがあります。

今回は『中医処方解説』(神戸中医学研究会 医歯薬出版株式会社)の分類を参考にその一部を簡単に紹介したいと思います。

  • 補気剤:気虚(気の不足)に用いる。代表方剤は四君子湯。
  • 補血剤:血虚(血の不足)に用いる。代表方剤は四物湯。
  • 気血双補剤:気虚と血虚が同時にある場合に用いる。代表方剤は八珍湯。
  • 活血化オ剤:オ血(血の停滞による病理産物)に用いる。代表方剤は血府逐オ湯。
  • 理気剤:気の停滞に用いる。代表方剤は香蘇散。
  • 辛温解表剤:風寒(冷えによるカゼ)に用いる。代表方剤は麻黄湯、桂枝湯。
  • 辛涼解表剤:風熱(熱によるカゼ)に用いる。代表方剤は銀翹散。
  • 清熱瀉火剤:熱邪(炎症)に用いる。代表方剤は白虎湯。
  • 清熱解毒剤:熱毒(化膿性の炎症)に用いる。代表方剤は黄連解毒湯。
  • 和解剤:臓腑間の調和に用いる。調和肝脾には四逆散、調和脾胃には半夏瀉心湯、和解半表半裏には小柴胡湯が代表方剤。
  • 化痰利水剤:水の停滞に用いる。東洋医学では粘度の高いものから希薄なものにかけて痰飲(水)、水湿(水毒)、水腫(水滞)と一応三つに分けている。化痰利水には小半夏加茯苓湯、利水消腫には越ピ湯、四苓散が代表方剤。
  • 温裏キョ寒剤:裏寒に用いる。温中散寒(脾胃虚寒又は脾胃実寒)には人参湯、温経散寒(四肢の冷え・疼痛)には当帰四逆湯、回楊救逆(ショックに対する治療)には四逆湯が代表方剤。
  • 止咳平喘剤:咳(セキ)と喘(呼吸困難)に用いる。止咳には止嗽散、平喘には射干麻黄湯が代表方剤。
  • 瀉下剤:寒下(清熱瀉下)には大承気湯、温下(温裏瀉下)には温脾湯、潤下(潤腸瀉下)には麻子仁丸、逐水には十棗湯が代表方剤。

以上簡単ですが漢方薬についてご紹介しました。

これで第8回目の講義、「漢方薬について」を終わりにしたいと思います。ご精読ありがとうございました。

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